
上高地って、どんな花が咲いているの?
上高地の徳沢園で働いていたころ、
休憩時間も休みの日も、図鑑を持って花を探して歩いていました。
この記事では、私が実際に写真を撮った花を、季節ごとに紹介します。


徳沢園のInstagramには、私が撮った花の写真がたくさん使われていました!
中でも、人気だったのは5月のニリンソウ
上高地に行く際は↑これくらいがオススメ
この記事でわかること📋
- 上高地・徳沢で見られる花と、咲く時期・場所
- 5月のニリンソウと、めずらしい「緑のニリンソウ」
- 森の貴婦人・ヤマシャクヤクを見るコツ
- 登山道で出会える高山植物
- 秋の実と、涸沢・徳沢の紅葉の時期
私が使っていた図鑑

花の名前は、ほとんど自分で調べて覚えました
使っていたのは、新潮文庫の『ひと目で見分ける250種 高山植物ポケット図鑑』(増村征夫 著)
文庫サイズなのでポケットに入り、徳沢園の売店でも売っています。

自分で調べた花は、今でも名前を覚えています。
今は別荘地で暮らしていますが、道ばたの花の名前がわかるだけで、散歩がより楽しいです

花の名前を知ると、同じ道でも景色が変わるんだね。
見に行く前に知っておきたいこと

上高地は中部山岳国立公園の特別保護地区
花や木の実、枝を取ることは禁止されています

写真を撮るときも、遊歩道から外れて踏み込まないようにしましょう。

また、この記事に出てくるトリカブトとバイケイソウは毒草です。触らずに、見るだけにしてください。
春〜初夏(5月〜6月)の花
雪がとけた徳沢は、一気に花の季節になります
この時期の主役は、なんといってもニリンソウ
ニリンソウ

【時期】5月中旬〜6月上旬 【場所】徳沢エリア(特に川の近く)
1本の茎から花が2輪咲くことが多いので「二輪草」。キンポウゲ科の白い小さな花です。

徳沢では、林の中が一面真っ白になるほど群生します。この景色を見るために、上高地から歩いてくる人も多いです。

写真映えもして、撮っていて楽しい花。一輪ずつ見ても、とてもかわいいです。
めずらしい「緑のニリンソウ」

ニリンソウには、まれに花びらが緑色のものが咲きます。
白い花びらに見える部分が、葉のように緑色に変わったものです。
休憩時間にこれを探して、見つけたら仕事の合間にお客さんへ場所を教える。

これがすごく喜ばれて、5月の私の鉄板ネタでした
「先祖返り」という現象の説が濃厚。徳沢に来たら、群生の中をよく見てみてください。
ヤマシャクヤク

【時期】5月下旬〜6月上旬 【場所】徳沢園の前
「森の貴婦人」とも呼ばれる、品のある白い花。ボタン科です。
環境省のレッドリストで準絶滅危惧に入っている、貴重な花です。

毎年、徳沢園の前に咲きます。ニリンソウの次に、知っている人が見に来る花です。

花が開いている期間は数日ほど。丸いつぼみの時期もかわいい
秋には実が割れて、赤い粒と黒い粒が並ぶ、少し不思議な姿になります。


つぼみから実になるまで、ずっと写真を撮っていました。
咲いている時期が短いので、タイミングが合ったらラッキーです🌱
アマドコロ

【時期】5月〜6月 【場所】徳沢キャンプ場
弓なりの茎から、白い筒の形の花をいくつも吊り下げて咲きます。
形がとても独特で、私が好きな花。

咲いている時期は、休みのたびに写真を撮っていました。
ズミ(別名コナシ)

【時期】花は6月ごろ/実は秋 【場所】小梨平・徳沢園の前
上高地の「小梨平(こなしだいら)」という地名の由来になっている木です。

つぼみは赤く、開くとりんごに似た白い花に。爽やかで好きな花です。
秋には小さな赤い実がなります。徳沢園の前でも見ることができます。
ホンシャクナゲ

【時期】6月ごろ 【場所】徳沢から蝶ヶ岳への登山道に入ってすぐ
「高山植物の女王」とも呼ばれる花。ツツジ科
ピンクの花が、蹴鞠(けまり)のように丸くまとまって咲くのがかわいいです。
ノアザミ

【時期】6月〜8月 【場所】徳沢園の前
赤紫色の、トゲのある花です。
蜜が多いのか、いつもミツバチにモテモテ。

徳沢園の前で、ミツバチが乗っているいい写真が撮れる、好きな花です。
ほかにも見られる春の花
| 花 | 時期の目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| エゾムラサキ | 5〜6月 | 小さな青い花。ワスレナグサにそっくりな日本の花。小さいので撮れたら嬉しい |
| コミヤマカタバミ | 5〜7月 | 白くかわいい花。散策路や登山道でよく見る |
| ツバメオモト | 5〜6月 | 小さな純白の花。明神〜徳沢でよく見かける。秋には青い実 |
| ラショウモンカズラ | 5〜6月 | ニリンソウと同じ時期の紫の花。羅生門で切られた鬼の腕に見立てた名前…そうか? |
| ウワミズザクラ | 5〜6月 | ブラシのような白い花の木。新緑の時期に涼しげ |
| サンカヨウ | 6月ごろ | 雨にぬれると花びらが透けて、ガラス細工のようになる |
| ギンリョウソウ | 5〜7月 | ジメジメした場所にひっそり。別名ユウレイソウ |



サンカヨウは、知ったときには時期が過ぎていて、実しか見られませんでした…。
夏(7月〜8月)の花|登山道と山の上
夏になると、花の主役は標高の高いところへ
徳沢から登山をすると、高山植物にたくさん出会えます。
ゴゼンタチバナ

【時期】花は6〜7月/実は秋 【場所】登山道の林の中

覚えやすい名前と見た目なので、ぜひ覚えてほしい花です。
名前は、石川県・白山の「御前峰(ごぜんがみね)」に由来すると言われています。

白い花びらに見える4枚は、実は花を包む葉のようなもの。秋には赤い実がなります。
チングルマ

【時期】花は7月〜8月/綿毛は8月〜9月 【場所】涸沢カールへ向かう道中
白い花びらに、黄色い中心がかわいい花。小さな草に見えますが、実はバラ科の「木」の仲間

涸沢に向かう道では、斜面を埋めるようにたくさん咲いています。

花が終わると、めしべが伸びてふわふわの綿毛に変わります。
この姿が子どものおもちゃの風車(稚児車)に似ていることから「チングルマ」という名前になったと言われています。

白い花から綿毛になるまで、どの姿も写真に撮っていました。

花と綿毛、どちらも楽しめるのが山暮らしならではだね。

高原の登山には欠かせない花だと思っています
ほかにも見られる夏の花
登山道・高山帯
| 花 | 場所 | ひとこと |
|---|---|---|
| ハクサンイチゲ | 高山帯の雪どけ地 | 白く美しい花。見た目も名前の響きも好き |
| ミヤマキンバイ | 登山道・岩場 | 黄色いあの子。つい撮るけど同じ写真ばかりに笑 |
| ミヤマダイコンソウ | 岩場 | 明るい黄色で元気をくれる、生命力のある花 |
| イワカガミ | 登山道 | ピンクのかわいい花。雨が多い時期のイメージ |
| アオノツガザクラ | 涸沢カールの手前 | 小さな壺を下向きにしたような形。つい触りたくなる |
| ハクサンフウロ | 高山帯 | ピンクに少し紫をまぜた、可憐な花 |
| シモツケソウ | 高山帯 | 小さなピンクの花が集まり、夏山を彩る |
| ミヤマリンドウ | 高山帯の岩場・草地 | 濃い色で上を向いて咲く。前向きな気持ちをもらえる |
| クガイソウ | 登山道 | 虎のしっぽのような長い穂で咲く |
| カラマツソウ | 登山道 | 花びらに見えるのは雄しべの集まり。なんか力強い |
| ナナカマド | 登山道 | 初夏に白い花。秋は葉も実も赤くなる |



上高地の遊歩道
| 花 | 場所 | ひとこと |
|---|---|---|
| クルマユリ | 小梨平 | 白や黄色が多い中で目立つオレンジ色 |
| ヤマオダマキ | 小梨平〜バスターミナル付近 | うつむき加減で品のある花。うちにも咲いてほしい |
| ホタルブクロ | 上高地の遊歩道 | 存在感があって見つけやすい。ぜひ見つけてあげて |
| ソバナ | 遊歩道 | ベルの形。ピョコンと出た雌しべがチャームポイント |
| バイケイソウ | 湿った林 | 黄緑色のシックな花。毒草なので触らない |



晩夏〜秋(8月下旬〜10月)の花と実
| 花・実 | 場所 | ひとこと |
|---|---|---|
| ツリガネニンジン | 徳沢園の川の近く | 青紫のベルの形。登山のあとに見ると癒される |
| トリカブト | 徳沢の川の近く | あの毒で有名な花。山では普通に見かける。絶対に触らない |
| トウヤクリンドウ | 稜線の岩場(北穂高岳の手前など) | クリーム色の上品な花 |
| ヒロハツリバナ | 林の中 | 秋にパカっと割れる実が特徴的。つい撮りたくなる |
マユミ

【時期】実は10月〜11月 【場所】徳沢キャンプ場
秋に、ピンク色の四角い実をつける木です。実が割れると、中から赤い種がのぞきます。
徳沢キャンプ場にもあり、女将さんが大事にしている木です。

徳沢に来たら、ぜひマユミの木を見てほしいです。
上高地の紅葉は「涸沢 → 徳沢」の順

上高地の紅葉といえば、涸沢カール
私もよく写真を撮りに行っていました。
| 場所 | 見ごろの目安 |
|---|---|
| 涸沢カール | 9月中旬〜10月初旬 |
| 徳沢(黄葉) | 10月初旬〜 |

涸沢から少し遅れて、徳沢の黄葉が始まります。

カラマツなどが色づき、黄色の多い秋色になるのが徳沢らしさです。
この時期は条件がそろうと、早朝の徳沢キャンプ場からモルゲンロートが見られます。

朝日で山が赤く染まる景色です。

秋の徳沢に泊まるなら、早起きがおすすめだね。
まとめ|図鑑を持って、上高地を歩いてみて

- 5月中旬〜6月上旬は、徳沢のニリンソウ(緑のニリンソウも探してみて)
- 5月下旬〜6月上旬は、徳沢園の前のヤマシャクヤク
- 夏は登山道で高山植物(涸沢への道ではチングルマ)
- 秋は涸沢の紅葉(9月中旬〜)→徳沢の黄葉(10月初旬〜)
- 花は取らない・毒草は触らない

名前がわかると、同じ道でも見つける楽しさが何倍にもなります。
上高地で働く人も、遊びに行く人も、ぜひ図鑑を1冊とカメラを持って歩いてみて下さい





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